近年、ミートホープ事件をはじめ、事故米偽装の三笠フーズ事件、中国産毒入り餃子事件、うなぎの産地偽装事件などが相次ぎ、食の安全に対する消費者の関心も高まってまいりました。
私たちが生きていくためには食べ続けていかなければなりません。どんなにご馳走をたらふく食べたからといっても、次の日にはもうお腹がすきます。次の日もまた食べなければなりません。私たちが生きていくための最も根源的な必需品である食べ物が、こうした偽装や毒物の混入などによって、その安全性が脅かされることは大変憂慮されることです。
安心して食べられる環境整備へ向けて、消費者、生産者、企業、行政等が、いかに連携し、またそれぞれの役割を果たしていくかが問われています。
人間は、口から栄養とエネルギー源になるものを摂り入れないと、身体の代謝機能がうまく働かない仕組みになっています。また、化学物質などを体内に摂り入れることは、細胞の働きと再生に悪い影響を与えます。ですから、食べ物については、栄養面だけでなく安全面にも配慮する必要があるのです。
私たちが食べ物を食べると、身体の中で消化・分解され、他の物質と合わさって自分の身体の一部に取り込まれていきます。様々な食べ物の分子がそのまま私たちの身体の細胞の分子になるのです。ですから、可能な限り良質な食べ物を求めなければなりません。もし、食べ物の中に生物の構成成分以外のものが含まれていれば、それがどんなに安全で無害なものとされていようとも、余分な分子、人工的な分子は私たちの身体に余計な負荷をかけてしまいます。それらを分解して排除するために余分なエネルギーが必要となり、それがもとで健康を害してしまうことにもなるのです。それ故、できるだけ中身の見える、プロセスの見える安全な食を選ばなければならないという根拠があるのです。質のいい食生活は身体の免疫力をアップさせ、健康を維持できるのです。

身体によい安全な食品や食材を見分け、何を食べたらいいのか、何を食べたらいけないのか、食品表示などの見方などもしっかり覚えて、選食力を身につけておくことも大切です。

次回からは、食の選び方、食品表示の見方、食品添加物の見方などについて具体的に解説していきたいと思います。